「ソルジャー、またですか?」
「おや、なんだいハーレイ。みっともないからそんな顔をするもんじゃない」
……みっともないのは誰ですか。
我らの偉大な長様はどうやら誘拐癖があるらしい(彼の言うマイスウィートに限り)
今日の誘拐で今週に入って四回目だ。
いくらなんでもそろそろやばい、色々な意味で。
「あぁジョミー…君の微笑みはまるで天使だ…僕の渇ききった心を癒してくれる…」
「ちゃあー!うるー!」
キャッキャッと楽しそうに笑う、ソルジャーの腕の中にすっぽりとふにゃふにゃな全身が納まるジョミーは紅葉のような小さな手をぺちぺちとブルーの両頬を叩いていた。
叩かれて痛いはずなのに、むしろ喜んでいる顔をするものだから
気持ち悪いったらありゃしない。
「ふふっ…なんて眩しい笑顔だろう!世界で一番可愛いよジョミー!」
「ぁうー?」
ちったいジョミーには何を言っているのか分からないご様子。
こてん、と小首を傾げてエメラルドの大きな宝石みたいなくりくりした瞳がきょとん、と見つめ返す。
そんなジョミーにブルーはふくふくの桃色のほっぺたに頬摺りしながらそう叫んだのだった。
(親ばかだ)
ハーレイが溜息ついたの